【新唐人2013年3月2日付ニュース】近日、日本の週刊誌が尖閣諸島奪回が、“習・李体制”の三大新政策の一つとなる可能性があるとの記事を掲載しました。習近平総書記が政権を掌握した後の大きな動きとして、三月下旬に日本に対し尖閣諸島奪回の攻勢に出る可能性があるとのことです。一方、これは中国共産党による“輿論操作”で、実際はただ、中国民衆の民族主義的な感情を持続させ、政府に対する民衆の不満を逸らすために過ぎないとの指摘もあります。日中両国が、すべてを顧みず戦闘を開始する可能性は果たしてあるのでしょうか。
中国共産党新指導者・習近平総書記と李克強副首相が3月15日の全国人民代表大会を経て、正式に就任します。
先日、『週刊現代』誌が中国共産党幹部に対し特別取材を行いました。幹部によると、中国では新しく着任する役人は、初めのうちに新しい政策を打ち出します。例えば10年前の胡錦濤・温家宝体制の発足時の「三大新政策」は、“SARS対策、6ヵ国協議、イラク戦争への対応”でした。習・李政権は尖閣諸島の奪回を「三大新政策」の一つとして掲げる可能性があるとのことです。
また、習総書記は2010年に結ばれた中台間の自由貿易協定にあたる両岸経済協力枠組協議(ECFA)の強力な推進者であることから、次に台湾と協力して尖閣諸島を奪回する可能性があると、この幹部は分析しています。
2月15日午前、中国監視船三隻が再び尖閣諸島海域に侵入。同じ日に中国海洋局は、外部に対し“監視船は中国領海中の釣魚島(ちょうぎょとう)で引き続き勤務を続ける”と発表しました。
では、尖閣諸島の緊張した情勢は日中間の戦争に発展するのでしょうか?
情報によると、アメリカは度々、日本が尖閣諸島を統治している現状を尊重すると表明。また、尖閣諸島の安全問題は日米安全保障条約の範囲内にあるため、中国当局が尖閣諸島に対して行動を起こせば、必然的に、アメリカをもこの問題に引き入れることになります。
時事評論家伍凡(ごぼん)さんは、中国に対するアメリカの態度も強硬になりつつあると述べます。
時事評論家 伍凡さん
「中共が日本に対して、行動を起こすには米国の態度も見なければなりません。米国の態度は強硬です。中共のサイバー戦争はほぼ尖閣諸島と連動して、米国に圧力を加えています。米国も反撃しようとしています」
一方、日本に打撃を与えるのは中国共産党上層部が対外政策を利用して、内部の矛盾から注意力をそらし、民心を集めるための選択肢であるとの分析もあります。
中国問題評論家の李善監(り ぜんかん)さんは、習近平総書記は、実は領土に対してそれほど興味があるわけでもなく、本当に考えているのは国内の政治であるとみています。
中国問題評論家 李善監さん
「中共内部でも今や、その主義を信じる人はほとんどいなくなりました。民族主義を利用して、統治を維持し、凝縮力を高めようとしてこの争いを続けているのです。しかし、あまりやり過ぎて、コントロールを失えば、統治が更に不利になります」
時事評論家 伍凡さん
「これは民族主義の感情を利用して、その政権を支持させ、日米に対抗しようとしています。ただ一つ一つに火をつけることで、燃え上がらないようにしています。この様な状況を習近平は最も自分に有利だと思っているのでしょう 。戦争はしませんが、温度だけは上げ続けます。習近平はこの感情をコントロールして、民族主義を彼のために利用し、その他の社会問題をすり替え、押さえ付けています。どう転がっても、問題が爆発する可能性があります。今の民衆の情緒をコントロールできますか」
伍凡さんは、今はネット上の対峙だけで、実際戦争が始まったわけではないものの、この状態が続けば、いつかは爆発する可能性があるとも述べます。また、習氏は国家主席就任後の最初の訪問国をロシアに決め、この争いにロシアをも引き入れようとしていると指摘します。
一方、李善監さんは、現在、習総書記には民衆の政府に対する不満を逸らす有効な手段が民族主義以外にないとみています。
中国問題評論家 李善監さん
「毎回毎回騒ぐ度に本当に国を思い、領土に対し本当に関心があり、自己犠牲も惜しまない人も徐々に党の本質を見抜くでしょう。党は領土を取り返すために、実質の措置を何も講じていないのですから。さらに多くの人が真実を知るようになると、中国共産党のゲームもおしまいになるでしょう」
李さんはまた、中国軍の腐敗や戦闘力なども多くの人から問題視されており、本当に戦争になったとき、兵士の銃口がどちらに向けられるかは誰も分からないと述べました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/02/23/atext851740.html (中国語)
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)